Yuko Iwasaki
Design Theme “outline”二人の輪郭
岩嵜 裕子yuko iwasaki
Designer
1978年生まれ、長崎市出身。
長崎日本大学高校デザイン美術科を卒業後、地元三菱重工の印刷会社で主に広告・商業デザインを担当。2005年、結婚を機に波佐見町の岩嵜紙器に入社。パッケージの設計からデザインをおこなう企画室を立ち上げる。
常務取締役に就任後も、6名の企画室メンバーとともにデザイン業務の統括・オリジナルブランドAKERUPROJECTの指揮をとる。
- 今回デザインされた結婚指輪のテーマを教えてください。
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outline(アウトライン)です。アウトラインの意味は、輪郭線です。
箱は、どんな形のものであっても、最初は箱の輪郭線であるアウトラインの設計からスタートします。アウトラインを元に、箱の芯になる生地(下地の役割をする厚紙)を組み立て、そこにいろんな表情の紙を貼っていきます。可愛い箱も、すっきりした箱も、個性や強さがある箱も、全部、最初はアウトラインなんです。
今回リングのデザインにあたり二人の「始まり」をイメージした時、アウトラインが浮かんできました。
結婚してすこしずつ二人だけの芯ができて、二人だけの表情ができていく。そんな二人での人生の最初に選ぶ指輪は、アウトラインのようだなと思いました。
- エンゲージリングのポイントを教えてください。
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宝石をアウトラインの中で見せるというデザインにしました。
飾り気のないシンプルな箱の中だからこそ、キラキラと輝く宝石がとても綺麗です。
これから花嫁になられる女性にとても似合うと思います。
- オリジナルリングケースのデザインコンセプトを教えてください。
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大切にとっておきたい指輪の箱なので、しまっておくことが多いと思いました。
そこで、インテリアとしても飾れる箱にしたいと考えました。指輪が戻る箱=ふたりが帰る場所=家と連想し、家型の箱にしようと思い、リビングや玄関に飾って違和感のないようにアンティークな感じの色と質感の紙を選びました。エンゲージは1個入り、結婚指輪は2個入りです。
並べて飾っても可愛いし、指輪と同じように紙の色やタッセルはお好きな色を選べるオーダーメイドの箱になっています。
- 日頃、ジュエリーをどんな風に楽しんでおられますか?
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ジュエリーは、同じものを長年使っています。流行りのものはあまり買わないですね。古着が好きで良くきていますので、王道なジュエリーというよりは、古着屋さんにあるヴィンテージデザインの動物モチーフのリングやシルバーに淡水パールのものなど、その時の服に合わせてつけることが多いです。
ピアスは大きなデザインのものが多いです。こちらも、今っぽいものよりは、二十歳くらいの頃から変わらずもっているもののほうが多いです。
- いちばんお気に入りのジュエリーについて教えてください。
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息子と娘がまだ小さい頃のことですが、海きらら[水族館]で真珠貝から真珠を採る体験をしたそうで、そこでとった真珠をピアスにして持って帰ってきてくれたんです。その1粒パールのピアスが一番気に入っています(笑)
セレモニーにはもちろん、意外とジーンズの日にも合うので普段もつけています。
- ご自身のエンゲージリング、マリッジリングのエピソードを教えてください。
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エンゲージリングは、ダイヤを二人で選び、土台は自分で選ばせてもらいました。シンプルななにもカットがなく、ダイヤの光が綺麗に見えるデザインです。毎日つけたいと思い、立爪ではないタイプにしましたがダイヤがとても綺麗なのでフォーマルに使うことが多いです。
マリッジリングは夫が選んでくれました。わたしはエンゲージリングを選ばせてもらっていたので、夫も自分の好きなリングを選びたかったでしょうし、彼のセンスが好きなので・・・すぐ気に入りました。シンプルなデザインなのですが、ダイヤ型にカットが入っています。15年経った今でもぜんぜん廃れない、とても素敵なデザインです。
シャープなデザインとつけ心地なので、毎日つけていられます。
パッケージの企画やデザインを手がけ、
国内外で活躍されている岩㟢さん。
TAKUHOのジュエリーケースも作っていただいています。
作られるパッケージはもちろんのこと、
ご自身のファッションもさすがのセンスで、
以前からアクセサリー使い、
お洋服とのコーディネートがいつも気になっていました。
今回の企画にあたり、
まっさきに声をかけさせていただきました。
ジュエリーボックスもオリジナルで
デザインくださいましたが、リングケースを
「二人が帰る家」と位置付けされたのは物語を感じます。