Kei Harada
Design Theme “Bowls”器
原田 圭Kei Harada
Designer
1980年 長崎県諫早市生まれ。
2003年 武蔵野美術大学芸術文化学科卒業。
2007年 TONERICO:INC.(トネリコ)入社。米谷ひろし、君塚賢、増子由美に師事。2014年 同社チーフデザイナーを務め、独立。 2015年 株式会社ドド設立。インテリアデザインを主に建築、家具、プロダクトデザインの設計を行う。
IF DESIGN AWARD GOLD、ICONIC DESIGN AWARD BEST OF BESTなど受賞暦多数。
- 原田さんのような方が、普段どんな風にジュエリーを楽しまれているのかな?と
興味がある人は多いと思います。 -
実は普段は、時計もしていなくて指輪もしていません。
でも、おしゃれに身に着けていらっしゃる方を見るといいなぁと思う事はよくあります。
特に女性がジュエリーでおしゃれを楽しんでいるのを見ると素敵だなって思います。 - 今回のコラボレーションのご依頼をした時に「実は結婚指輪は作っていなくて…」と
お話しいただきました。 -
結婚指輪は、どれにしようかと妻と悩んでいたんですが、ピンとくるものがなくて迷っている内に、
何か他のものにそのお金を使おうという風になって新婚旅行を充実させる資金にあてました。
いつか買えばいいかと話していたらずっと買わないままになってしまって…
ですので今回、御依頼の話を頂いた際は、嬉しかったですね。 - 今回、リングのデザイン依頼が来た時はどう思われましたか?
-
すごく嬉しかったですね。買っていなかった結婚指輪をデザインできる機会を頂けたなと思いました。
- 今回デザインされた結婚指輪のテーマを教えてください。
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テーマは、「器」です。器って、そこに入れるものがあって完成だと思うんですが、器単体では、未完成というか、料理の背景というものです。ですので何か、その瞬間や思いを受け取り、それによって完成するような、余白のあるデザインにしたいなと思いました。
水滴の一粒が指輪に載って完成する。それは、感動の涙かもしれないし、印象的な日の雨粒かもしれない。そんな偶然は実際にはなかなか無いと思いますが(笑)そういった事を連想させる余白のあるデザインにしたいと思いました。
- どんな点にこだわってデザインされましたか?
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テーマを「器」と言いましたが、形としては、白玉団子のような形です。お団子をこねて、指で真ん中をへこましたような形です。「ふっくらとした器」というような形状です。
お団子のような形に惹かれる事があって、きっと嫌味のない形だから、という事なんだと思います。手でこねて、そっと置くと重力でふっと落ち着く形状。昔から愛されてきた形なんだと思うんです。それで、今回お願いしたのは、「白玉団子を千個作って、千個目の形を目指したいです。」とお伝えしました。
何が言いたいかと言いますと、手で何度も同じものを作って、馴れてきて、丁度手癖がなくなってきた形。いやらしさがなくなった形にしたかったという事です。自然な形といいましょうか。でも、ほんの少し歪みがあって、完全な形ではない、そういった形が人に馴染むのではないかと思いました。
抽象的ですが、百個だとまだ、いやらしさがあって、一万個だと完璧すぎると思ったんです。千個だと思いました。自然な歪み、納得のいく不完全さという部分は特にこだわった点です。妙なお願いをしてしまって申し訳なかったんですが…見事に形にして頂きました。
- 普段、建築やインテリアのデザインを手がけられているからでしょうか…
リングというサイズ感を忘れて写真を観ると、現代アートのようにも見えます。
ジュエリーデザインをされて感じた建築との違いまたは共通点を教えていただけますか? -
違いは、完成したものを見て修正ができるという部分です。ジュエリーのような手におさまるものというのは、完成形をつくり、量産にいたるので、納得のいく形まで詰める事ができます。
しかし建築では、完成するまでリアルサイズの姿を見る事ができません。図面や模型やCGをつくり、確認しながら進めてはいきますが、実際にできて空間になった時は、計算していた以上の効果を感じたり、できてみないとわからない部分がどうしてもあります。
それが醍醐味だったりするのですが、違いはそういった所だと思います。でも、もしかしたら、身につける人によって、ジュエリーも見え方が変わってくると思いますので、そこには期待したいなと思っています。
共通点は、僕個人的なものかもしれませんが、良い所を探していくというよりは、嫌な部分を無くしていくという作業の部分です。構想があっていざ形にしていく段階で個人的な感覚を大事にしたいと思っています。それは、気持ちが悪いな。とか、いやらしいなとか、そういった部分をなくしていく作業です。
自然に出来上がったという状況にまでそぎ落とせたらと思っているので、ほとんどがその作業になります。
そこは共通していたかなと思います。
- どんな方につけてほしいですか?
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個性のある方につけてもらえたらなと思います。後は、僕が好きな人達に気に入ってもらえたらと思っています。
- 最後に、完成したリングへの奥様のご感想を教えてください。
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いかにも結婚指輪な感じじゃないところがいいね!と言ってくれました。
メンズ、レディース、
エンゲージ、マリッジの区別はない。
自由に、好きなリングを
選んでいただきたいシリーズです。
写真は全てシルバーで製作したものです。
プラチナ、ゴールドも選べます。